her/世界でひとつの彼女

her/世界でひとつの彼女

 

her/世界でひとつの彼女~
~孤独だから、愛したい?愛するから、孤独?~

 

☆こんな人に
・バーチャルな恋愛に興味がある人
・パートナーと向き合えない自分を客観視したい人

☆こんな時に
・心理劇的ラブロマンスが見たいとき
・「こんなに孤独なのは自分だけ?」な気分のとき

 

<出演>
ホアキン・フェニックス
スカーレット・ヨハンソン

<監督>
スパイク・ジョーンズ

 

 

あなたが恋をしている人、
あるいは、今まで恋に落ちた相手は
本当にあなたが思っているような人物?

 

近未来のロサンゼルスに暮らす
この映画の主人公セオドア(ホアキン・フェニックス)は、
依頼人の代わりに思いを伝える手紙を書く代筆ライター。

 

他人の気持を伝えることは得意でも
自分自身は長年連れ添った妻と
心を通わせることができなくなり、ついに離婚。
傷心しきっている。

 

そんな彼が、図らずも恋に落ちるのが
人工知能型の彼女=サマンサ。

 

感情を持つ何万人もの人間のキャラクターをインプットされ
それを元に自ら進化し続けるサマンサは、
セオドアの心にスッと寄り添うように入り込む。

 

相手の心を読み取り、生身の女性のように
トキめいたり恥らったり、嫉妬したり、傷ついたり
ベッドでの甘い囁きだって、
ちゃんと愛を感じてるのが伝わってくる。

 

因みに、この人工知能型
サマンサ(声だけ)を演じているのは、
「真珠の耳飾りの少女」「それでも恋するバルセロナ」「ドン・ジョン」
などで好演したスカーレット・ヨハンソン。
これが、実に、キュートでセクシー!

 

こんな彼女なら、実体がなくても、
イヤむしろ、面倒な実在がないからこそ恋愛してみたい!
と思う男子は、案外多いのでは?

 

逆にそういう意味では、
男子が求めるher(彼女)のひとつの理想像なのかも?

 

かまって欲しい時にいつでも相手をしてくれ、
いつも自分に関心を寄せ、励ましてくれて、
しつこく何かを求めたり、強要したりしない。

 

心を閉ざし、結婚に失敗した主人公セオドアも
そんな彼女に癒され、生きる活力をもらう。

 

この映画の面白いところは、
人工知能がどこまでも人間的なところ。

 

結局、相手がリアルな人間でも、人工知能でも
恋する人間の心は変わらないのでは?
そんな気がしてくる。

 

恋をすると頭の中で想像力がフル回転し始める。

 

「自分をこんな気持ちにさせるのは、世界中でこの人だけ?」
「あんなことを言ったのは、きっとこうだからに違いない」
頭の中で、どんどん「その人(herやhe<)」が出来上がっていく。

 

そして、やがて、
恋愛初期に出るホルモン(フェニルエチルアミン)が
減少するにつれて、現実が顔を覗かせ始める。

 

「あれ?何か違う」
「こんなはずじゃ・・・」

 

それはそうでしょ。
自分の頭の中で出来上がった「その人」は
リアルな「その人」と全く同じではないワケだし。

 

しかも、この映画で描かれているとおり
人は、常に変わっていくもの。

 

そのプロセスや結果をお互いに受け入れられなければ
パートナーとして愛し合うことは難しい。

 

「人工知能との恋愛?ありがちな近未来の
と観るまでは、ちょっと侮っていたけれど、なかなか・・・

 

“愛と背中合わせの孤独”

 

SFか、ファンタジーか、
ジャンル的には超現実だけど
テーマ的には、けっこうリアルで普遍的。

 

傷ついても、孤独の淵にいても
人はやっぱり愛を求める「生き物」。

 

そんな、甘さと切なさを味わえる1本!

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